官公庁・公益法人・研究機関・NPOが毎年発行する年次報告書や白書。事業の成果や統計データを掲載するこれらの冊子は、グラフ・図・写真を多く含む資料であるにもかかわらず、多くの場合モノクロ印刷にとどまっています。
その背景には「少部数でカラー印刷をするとコストが高い」という固定観念があります。しかし、CSI印刷の登場により、その前提は変わりつつあります。
本記事では、年次報告書・白書のカラー化をCSI印刷で実現するための仕組みとメリットを、費用の比較も含めて詳しく解説します。
年次報告書・白書のカラー化が進まない理由
少部数×カラー印刷=コスト高という固定観念
年次報告書や白書の印刷部数は、関係機関への配付・図書館への納本・会員向け送付などに限られることが多く、数百部程度にとどまるケースが少なくありません。
オフセット印刷でカラー冊子を制作する場合、CMYK4色分の版を製造するための版代が固定費として発生します。版代は発行部数に関わらず一定額かかるため、少部数であるほど1冊あたりに換算したコストが高くなります。「カラーにすると印刷費が大幅に増える」という経験が積み重なった結果、担当者の間に「少部数の報告書はモノクロが常識」という固定観念が生まれています。
毎年の発行で余剰在庫が生まれやすい
年次報告書は毎年発行されるため、前年度版を大量に在庫として持ちつつ当年度版を刷るという状況が生じることがあります。配付枚数を見越して多めに刷った結果、使い切れなかった分が廃棄されるという無駄も発生しがちです。
改訂のたびに版を作り直すコスト
データや法令の変更によって内容を修正する際、オフセット印刷では版を再製造する必要があります。毎年内容が変わる報告書では、このコストが毎回発生することになります。
CSI印刷でカラー報告書を作るとどうなるか
CSI印刷とは
CSI印刷は、高速輪転インクジェット印刷機と自動製本システムを一体化したデジタルブックオンデマンドシステム(Color Solution Integrated)です。東洋美術印刷株式会社が国内で初めて導入した方式であり、千代田オフセットとの協業によって提供されています。
版を必要としないデジタル方式のため、版代は0円です。また、RGB入稿に対応しており、デザイナーがCMYKへ変換する作業は不要です。最小1部から発注でき(実用的には100部程度から)、最短3日で納品できます。
版代ゼロで少部数カラー印刷が現実的に
年次報告書・白書のような少部数印刷物において、版代ゼロというCSI印刷の特性は直接的なコスト削減につながります。部数が少ない場合、オフセット印刷との費用差の多くは版代によって生じています。CSI印刷ではその版代がそもそも存在しないため、少部数でのカラー印刷が現実的な選択肢になります。
RGB入稿対応で制作フローが簡略化
報告書に掲載するグラフや統計図表は、表計算ソフトや可視化ツールで作成されることが多く、デフォルトではRGBカラーで出力されます。オフセット印刷への入稿にはCMYKへの変換が必要ですが、CSI印刷であればRGBデータのまま入稿できます。変換後の色調確認という手間が省け、制作から入稿までの時間を短縮できます。
東洋美術印刷による白書カラー化の実績
東洋美術印刷株式会社は、CSI印刷を活用した白書のカラー化を実際に手がけています。従来モノクロ印刷で発行されていた白書を、CSI印刷によってカラー化した事例があり、版代不要・少部数対応というCSI印刷の特性が、年次刊行物のカラー化に有効に機能することが実証されています。
この事例の詳細については、東洋美術印刷の公式サイト(https://www.toyobijutsu-prt.co.jp/com-design/csi-382/ )でも確認できます。白書のような官公庁・公的機関向け冊子においても、CSI印刷が実用的な選択肢として機能していることを示す実績です。
費用比較表:A4・100P・200部の場合
以下は年次報告書によく見られる仕様(A4判・100ページ・200部)を想定した印刷方式の比較概算です。実際の費用は仕様・内容・時期によって異なります。正確な金額はお見積もりをご依頼ください。
| 比較項目 | オフセット印刷(カラー) | CSI印刷(カラー) |
|---|---|---|
| 版代 | 必要(CMYK4色分) | 不要(0円) |
| 費用傾向(200部) | 版代込みで割高になりやすい | 版代不要で少部数でも比較的リーズナブル |
| 納期 | 1〜2週間程度 | 最短3日 |
| 最小発注部数 | 数百部〜が経済的 | 1部〜(実用的には100部〜) |
| RGB入稿 | 非対応(CMYK変換必要) | 対応 |
| 品質 | 高品質 | オフセット並みの品質 |
| 内容修正時の追加費用 | 版の再製造が必要 | データ修正のみ、追加版代なし |
| 在庫リスク | 刷り過ぎると在庫が発生 | 必要部数だけ発注可能 |
| 翌年増刷 | 再度版代が発生 | 版不要でいつでも増刷可能 |
200部程度の少部数カラー印刷においては、版代の有無が総コストに大きく影響します。CSI印刷は、この規模の発行部数で最もコスト効率が高くなりやすい印刷方式です。
改訂が毎年ある報告書にオンデマンドが合う理由
最新版だけを必要部数だけ発注できる
年次報告書・白書は毎年内容が更新されるため、前年度版を大量に在庫として持つことに意味はありません。CSI印刷のオンデマンド方式では、発行のたびに必要部数だけ発注できるため、余剰在庫を抱えるリスクがゼロになります。
内容の差し替え・修正に追加コストが発生しない
データの誤りの発見や、数値の確定後に内容を修正するケースは報告書の制作現場ではよくあることです。CSI印刷では版を持たないため、データを修正して再入稿するだけで最新の内容を印刷できます。版の再製造費用は発生しません。
急な増刷依頼にも最短3日で対応できる
配付先からの追加請求や、予想以上の需要による増刷が必要になった場合でも、CSI印刷なら最短3日での対応が可能です。オフセット印刷では再度版を用意するところから始まりますが、CSI印刷はデータさえあればすぐに動き出せます。
配付タイミングに合わせた小口発注が可能
年次報告書の配付先は、配付時期がずれることがあります。一度にまとめて刷るのではなく、配付のタイミングに合わせて小口で複数回発注するという運用も、オンデマンドであれば現実的です。
まとめ
年次報告書・白書のカラー化は、「少部数だからコストが高い」という固定観念から離れて考えてみる価値があります。CSI印刷は版代ゼロ・RGB入稿対応・最短3日納期・最小1部〜という特性により、少部数のカラー印刷物に対して最もコスト効率の高い選択肢のひとつです。
毎年改訂が発生する報告書・白書の制作において、CSI印刷のオンデマンド方式は在庫リスクの排除・修正コストの削減・発行スケジュールの柔軟化という複数のメリットをもたらします。
東洋美術印刷株式会社は、白書のカラー化において実際の実績を持っており、報告書・白書のカラー印刷に関するノウハウを蓄積しています。カラー化をご検討の担当者は、現在の仕様(ページ数・部数・発行スケジュール)をもとにまずはお見積もりのご相談をされることをお勧めします。
CSI印刷の詳細や見積もりのご相談は、千代田オフセット×東洋美術印刷のCSI印刷メディアまでお問い合わせください。
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よくある質問(FAQ)
Q. 年次報告書200部程度でもカラー印刷は現実的ですか?
CSI印刷であれば現実的です。版代が0円のため、200部程度の少部数でもカラー印刷のコストを抑えられます。オフセット印刷ではCMYK4色分の版代が固定費として発生しますが、CSI印刷ではその負担がないため、少部数のカラー報告書が経済的に制作できます。
Q. 毎年内容が変わる報告書でも追加コストは発生しませんか?
CSI印刷は版を使わないデジタル方式のため、内容を更新してもデータを差し替えるだけで印刷できます。版の再製造費用は発生しません。毎年改訂が必要な年次報告書・白書にとって、改訂のたびに追加の固定費がかからない点は大きなメリットです。
Q. 表計算ソフトで作成したグラフもそのまま使えますか?
ExcelやBIツールで作成したRGBカラーのグラフ・統計図表は、CSI印刷ならそのまま入稿できます。CMYKへの変換作業が不要なため、変換による色調変化を気にせず、作成時の色味に近い状態で印刷されます。
著者プロフィール
千代田オフセット CSIメディア編集部
東京都に本社を構える千代田オフセット株式会社のメディア編集チーム。オフセット印刷・デジタル印刷の両分野で50年以上の実績を持つ印刷のプロフェッショナル集団が、印刷に関する専門知識をわかりやすくお届けします。CSI印刷システムの導入支援から入稿サポートまで、出版社・学術機関を中心に年間500件以上の案件を手がけています。


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